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こどものとも0.1.2. あおむしくん


こどものとも0.1.2. 2023年6月号

あおむしくん

田村ゆう子 さく



ゆっくり動く、あおむしくん


「あおむしくん」はゆっくり、ゆっくり動きます。急いでいてもゆっくりです。だからよく観察できます。赤ちゃんが初めて出会うにはちょうどよいスピード感です。


「あおむしくん」は「もきゅ もきゅ もきゅ」と歩きます。アリさんは「とこ とこ」と歩きます。実物の虫たちに会う前に、絵本で会えると、絵本の物語のように出会えるかもしれません。


赤ちゃんと小さな虫たちとの出会いは、身近な大人が大きな役割を果たします。近くの畑に散歩にいけば、フェンネルなどのハーブにはキアゲハ、キャベツにはモンシロチョウの「あおむしくん」がいます。「もきゅ もきゅ もきゅ」と言いながら、観察できるとすてきです。


虫が苦手な大人は大抵、実物の虫の姿をよく見ずに、怖がったり飛び上がったりしてしまいます。絵本だったら、こどもと共有・共感できる可能性があります。まず『あおむしくん』からやってみましょう。


読み方アイデア

実はアリは、歩く速度が速くて捕まえるのが難しいです。それに比べて、アオムシ、ダンゴムシ、ワラジムシは、こどものスピードに合っています。飼育カゴを準備して、一週間でもいいので飼ってみてください。まずはよく見るところから、虫とのお付き合いを始めましょう。




 

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。

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