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こどものとも0.1.2. ならんだよ ならんだね


こどものとも0.1.2. 2022年9月号

ならんだよ ならんだね

松永悠一郎 さく



並べるということ


付録の「絵本のたのしみ」で作者の松永さんが、わが子が1、2歳の頃に畳のへりにそって積み木を並べていた様子を見て、今まで野生動物のようだった長女に人間としての自我が芽生えた瞬間だと思えたと驚きを持って記しています。

私は並べる行為は、幼い人の中に秩序感が芽生え、法則性に気がついた現れだと思います。並べる物の向きや、色、形、大きさの違いに気づくようになりますし、同じ形や、色のものを集めたりもします。


『ならんだよ ならんだね』は、この時期のこどもたちにピッタリのテーマです。最初のページのどんぐりたちを見たら、帽子をかぶっているのとかぶっていないの、細長い形、丸い形、それぞれの違いに気がつくでしょう。教えるのではなく気がつくのを楽しんでくださいね。自分で気がつくことが喜びになりますから、それを奪わないでください。


読み方アイデア

『ならんだよ ならんだね』を読んで楽しんだあとで、どんぐり、小石、ミニトマトなど、指でつまめる大きさのものを準備しましょう。お子さんはそれらを触ったり、つまんだり、転がしたりと、いろいろなことをしてみせてくれるでしょう。そして間もなく並べ始めるでしょう。その様子を楽しんで見てください。




 

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。

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