top of page

こどものとも0.1.2. ぽん!


こどものとも0.1.2. 2022年5月号

ぽん!

村田エミコ さく



声になる音


表紙のフグの顔はインパクトがあって、うれしそうで楽しそう。思わず笑顔になってしまいます。しかも素朴な味わいの絵で、赤ちゃんは大好きになります。

表紙を開くと、緑の甲羅に「かめさんが じーっ」と言葉が添えられています。次のページで「ぽん!」と、かめさんの顔が現れる。なんとリズミカルなのでしょう。人差し指を出して、「もう1回?」と赤ちゃんに聞きます。読んでもらいたいそぶりをしたら、繰り返し読んであげましょう。


ひと月も経たないうちに、赤ちゃんは「じーっ、ぽん」のところで「ぽん」と声を出しますよ。その時のうれしさといったら最高です。語りかけた言葉が表現となって出てきます。入力したものだけが出力できます。赤ちゃんの声になる音は、あなたが入れた言葉です。こうして赤ちゃんは言葉を獲得していくのです。


読み方アイデア

クラスで一対一で読んでいる様子を写真に撮り保護者と共有します。それが赤ちゃんに絵本を読む意欲につながります。


絵本を読んでいない時、赤ちゃんの前で、まず目を閉じて、「じーっ ぽん」と言って、「ぱちっ」と目を開けてみてください。笑顔を返してくれるはずです。そして間もなく声も出してくれるでしょう。この遊びも楽しんでください。




 

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。

Comentarios


bottom of page