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こどものとも0.1.2. くるりん ぱくっ


こどものとも0.1.2. 2021年9月号

くるりん ぱくっ

あずみ虫 さく



楽しんで食べる


「くるりん ぱくっ」と包んで食べるのは楽しい。つくるという行為があるから楽しいのですね。赤ちゃんは身近な大人がおにぎりを握り、海苔で包むのを見ています。それを手に持ったとき、嬉しそうにします。つくる行為の仕上げをしているのではないかと思います。


『くるりん ぱくっ』は、表紙のこどもがおにぎりを食べる表情が楽しそうで、幸福そうです。中のページのわんちゃんも、最後のネズミくんもカバくんも楽しそうです。読んでもらっている人も楽しくなって、ニコニコします。


絵本を読んであげる第一の目的は楽しむことですから、『くるりん ぱくっ』は読む楽しさと、食べる楽しさの両方が叶う絵本です。赤ちゃんが、読んでくれるあなたへ笑顔を送っているのがわかるでしょう。その目を見て笑顔を返してください。共感とともに楽しさと幸福感が記憶に残ります。


読み方アイデア

この絵本の「くるりん ぱくっ」を、そのままお家で実際にやってみましょう。絵本の世界が目の前に現れるのは、こどもにとって驚きです。絵本を読んだときの感動がさらに強く感じられるでしょう。すでにいろいろなものを食べ始めている赤ちゃんに最適の絵本です。



 

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。

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