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Q. 小学2年生の娘がいます。友達と遊ぶ約束をすることがほとんどありません。焦らず見守っていくつもりですが少し心配です。



A

娘さんが朝学校へ行く時に、いつもどおりに家を出て、帰宅時も機嫌がよければ、友達とうまくやっているし、学校も楽しんでいると受け止めてよいと思います。友達は、興味・関心が同じ人もいれば違う人もいます。数人いれば少しずつ違った関係を築いていきます。それは言葉では説明しにくいものです。小学2年生はこのような関係性を体験している真っ最中ですね。それに友達の関係は学校ばかりではありません。兄弟姉妹、いとこ、幼なじみ、ご近所さんなど、その人たちと緊張せずに笑顔で話ができていたら心配ありません。


私の好きな絵本に、片山健さんの『コッコさんのともだち』(福音館書店)があります。コッコさんとアミちゃんが友達になったのは、スカートの色が同じだったことが始まりでした。また、林明子さんと筒井頼子さんの『とん ことり』(福音館書店)は、かなえちゃんに手紙を寄こすおさげの女の子が登場します。登場する子たちはみんな、友達づくりが上手ではありません。焦らず見守ろうとするのは、この時期にふさわしいことです。


もし娘さんの様子が心配でしたら、おやつを一緒に手作りするなど、気持ちのよい、ほっとした時間を過ごすのがおすすめです。その時に娘さんが話してくれることを、相づちを打ちながら聞いてみてください。クラスメイトのことが話題になったら、その子のすてきなところを聞いてみます。こどもは相手のことが気になっているものです。何時間でも一緒にいたいと思うような、気の合う人にこれから出会うかもしれません。


そして最後に、あなた自身に気を許せる友人がいることを話してあげてください。こどもは身近な大人をモデルにして生き方を学んでいます。それが彼女にとって何よりの安心になるはずです。



 

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。 ​
 
※この記事は庭しんぶん63号(2022年11月号)に掲載されたものです。

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