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Q. 親子の理想的な関係とはどのようなものですか?



A

すごく難しい質問です。なぜなら兄弟姉妹の人数も、親の状況も、対人関係の考え方もすべて違うからです。それでも答えを探してみましょう。僕は、自分が弱い時に助けてほしいと言える人が家族にいたらいいと思っています。一昨年の9月に胸が痛くなった時、娘の運転で病院に連れていってもらい本当に助かりました。病気やケガだけでなく、日常の暮らしの中で弱さを感じたり、困った時、深刻になる前にお互いに助けを求めること、そして求めに応じて助けられることが理想的な関係だと思っています。


「なんだ、そんなことか」と思われるかもしれません。でもこれがなかなかできないものです。僕はこどもに抱っこやおんぶを求められたり、車で送り迎えをしてほしいと言われたら断らないと決めていました。決めていると難なくできるものです。こどもがどんどん甘えるようになると思うかもしれません。ところがそうはなりませんでした。僕が助けを求めた時には応じてくれるのです。今年の大雪で物置の屋根には60cmくらい雪が積もりました。帰省した息子に頼むとすぐに取り掛かってくれました。当たり前のようですが、普段の暮らしの中で培われたものだと思います。


助けてもらった時には「助かった」と何回も言います。また、「何かあったら言ってね。できることは何でもするよ」と言います。このごろは逆にその言葉を掛けてもらうようになり、助けてもらうことがどんどん増えています。夫婦は互いに選んで結び合わされた関係ですが、親子は違います。生まれた瞬間に子となり、親となる決定的な関係です。ですから、どのような関係を築くかはとても重要です。質問者の方がすでに築いている親子関係があるでしょう。それを踏まえて30年、40年後のあなたとこども、あなたと親の関係を築いてください。



 

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。 ​
 
※この記事は庭しんぶん55号(2022年3月号)に掲載されたものです。

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